ファクタリングのメリット・デメリットと活用すべき状況を徹底的に解説!

売上債権を売却して、最短即日で資金調達が可能な「ファクタリング」。

便利だなぁと利用を考えている経営者様も多いのではないでしょうか。

一方で、

「利用するメリットがわからない!」

「使うとどんなデメリットがあるんだろう?」

「結局どんな状況だと使った方がいいの?」


こんな思いを持っているかもしれません。そこでこの記事では、ファクタリングのメリット・デメリットと、使うべき状況を徹底的に解説していきたいと思います。

ファクタリングを利用するメリット

まずはファクタリングを利用するメリットは以下の通りです。


  • 早期現金化による資金繰りの改善
  • 売掛債権のオフバランス化によるバランスシートのスリム化
  • 自社が赤字や債務超過でも資金調達可能
  • 保証人や担保が不要
  • 売掛先が倒産しても支払い義務を負わない
  • 取引先に知られずに売掛金を現金化(2社間ファクタリングの場合)


それぞれについて説明していきます。

早期現金化による資金繰りの改善


売掛金の場合は、「月末締め翌月払い」や「2ヶ月後払い」など売り上げてから入金するまでに相当の時間がかかることが一般的です。手形の場合はもっと長くて、120日とか180日とかの回収サイトになってしまいます。

売り上げを計上してから回収するまでの間に、仕入れや人件費などの必要経費が出ていきますから、資金繰りが悪化してしまうことも十分に考えられるんですね。

「黒字倒産」と呼ばれる倒産パターンがあるように、この「資金繰り悪化」は経営者が一番気をつけないといけないこと。もし資金繰りが悪化してしまった時には早急に改善が必要です。

そんな時に保有している売掛金を回収期限より前に現金化することにより、資金繰りを改善させることができます。

売掛金のオフバランス化によるバランスシートのスリム化


一般的に資金調達を行う時には、借り入れという形をとることが多いです。その場合、バランスシート上は、「現金」が資産の部に計上されるとともに「借入金」が負債の部に計上されますね。

一方、ファクタリングにより資金調達を行なった場合には、「現金」が資産の部に計上される一方、資産項目である「売掛金」が減少することになりますので、負債が増えず、バランスシートはスリムになります。

審査基準が銀行と異なり、自社が赤字や債務超過でも資金調達可能


銀行融資の審査基準は、「資金調達する会社がお金を返済できるか?」という視点から行われることになります。

一方、ファクタリング会社の審査基準は銀行とは異なり、「売掛先からお金を回収できるか?」という観点から審査が行われることになります。

大きな違いは、自社が赤字や債務超過状態に陥っていたとしても、ファクタリング会社の審査には何ら関係がないという点です。

「借金」ではありませんので、どんな状況であっても売掛金さえあれば、資金調達することが可能となります。


保証人や担保が不要


ファクタリングは、銀行借り入れとは異なり、保証人や担保が不要です。

これは、融資ではなく、売掛金を売買する取引だからです。商品を売買する時にもいちいち保証人を立てたり担保を入れたりすることはありませんよね。それと同じことです。

ファクタリングは売掛金さえあれば、資金調達に問題はありません。

売掛先が倒産しても支払い義務を負わない


手形を裏書譲渡した場合には、手形を振出した企業が倒産してしまった場合、裏書譲渡をした自社が代わりに弁済する義務を負います。

しかし、ファクタリングの場合は、ファクタリング会社への譲渡は「ノンリコース」というのですが、売掛先が倒産してしまっても、ファクタリング利用企業が支払い義務を負うことはありません。

そのリスクはファクタリング会社が負うことになり、そのために審査が行われるのです。


取引先に知られずに売掛金を現金化(2社間ファクタリングの場合)


ファクタリングを利用していることを取引先に知られてしまうと、「発注減少」「取引停止」というリスクがどうしても出てきますが、2社間ファクタリングを利用すれば、取引先に知られずに売掛金を現金化することが可能です。

急な資金調達は対外的な信用力を低下させる恐れがありますが、ファクタリングを利用しても取引先への通知をしない方法も選択できますので、安心して利用できますね。

ファクタリングを利用するデメリット

続いてファクタリングのデメリットは以下の4つです。


  • ファクタリング会社への手数料がかかる
  • 売掛先への通知が必要となる(3社間ファクタリングの場合)
  • 債権譲渡登記が必要となることがある
  • 売掛債権を超える金額の資金調達はできない


それぞれについて説明していきますね。

ファクタリング会社への手数料がかかる

売掛金を早期回収して、回収不能となるリスクをファクタリング会社が負うことになりますので、ファクタリング会社への手数料がかかってきます。

相場としては、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの場合で違うのですが、大体以下のようなイメージです。


2社間ファクタリング 10%〜30%

3社間ファクタリング 2%〜5%


見ていただくとわかるように、売掛先への通知が不要となる2社間ファクタリングの場合には、かなりの手数料を支払う必要がありますので、計画的に利用するようにしましょう。

売掛先への通知が必要となる(3社間ファクタリングの場合)


2社間ファクタリングの場合には、売掛先の通知が不要になるということをメリットとして挙げていましたが、3社間ファクタリングを利用する場合には、売掛先への通知が必要となります。

売掛先に通知をすることで、2社間ファクタリングよりは資金調達スピードが遅くなったり、「発注減少」「取引停止」といったリスクが増加するといったデメリットがあります。


債権譲渡登記が必要となることがある


2社間ファクタリングの場合、債権の所有者が、資金調達会社からファクタリング会社に確かに譲渡されたことを証明するために、債権譲渡登記が必要となります。これは債権が2重に譲渡されることを防止するために要求される手続きです。

債権譲渡登記をするためには若干費用がかかりますので、覚えておくと良いでしょう。

登録免許税

・債権5,000個以下:7,500円/個

・債権5,000個超:15,000円/個

司法書士手数料

・2万円〜5万円


売掛債権を超える金額の資金調達はできない


売掛債権を譲渡して、早期に回収するものですので、持っている売掛債権を超える金額の資金調達はできないこともデメリットの一つです。

銀行融資であれば、信用力を評価して売上以上の金額を借り入れることもできますが、ファクタリングは上限があり、多額の資金調達はできないことに留意が必要です。

ファクタリングを利用すべき状況

ファクタリングのメリットとデメリットを踏まえると、以下のような状況に陥っている企業ほど、ファクタリングは効果が高いと言えます。


  • 銀行返済のリスケジュールを行なっている
  • 赤字決算や債務超過の状態で追加の借入れが困難
  • 銀行によるビジネスローンが受けられない
  • 仕入れ先への支払いが追い付かない
  • 従業員への給料が払えない


特に資金繰りに窮している会社はファクタリングを利用するメリットがデメリットを大きく上回るでしょう。どんな会社も、

キャッシュフローの改善ほど重要なものはありません。

お金が回りさえすれば、赤字であっても債務超過であっても倒産することはないのです。